■物語

父が突然「おばあちゃんちに行くぞ」と言い出したのは、蝉のうるさい、夏のある日のことだった。

いつのころからかギクシャクしていた僕と、妹と、父。

半ば無理やり、父に連れられ訪れた、山間にある母の実家。

 

母が育った家。祖母が暮らしていた家。

夏休みになる度に訪れ、けれど祖母が他界してからは、もう何年も来たことのなかった家。

 

今は誰も住まなくなったその家には、座敷おやじが住んでいた。

 

2017年にドラマ化を経て舞台化し、好評を博した舞台「座敷おやじ」が,

リクエストにお応えして、早くも再演決定。

誰もがどこか懐かしく、そしてどこか新しい――そんな不思議な物語を、ぜひお楽しみください。

 

脚本・演出 中神謙一

恩田 陸氏、驚愕!

私は長いこと信じこんでいた。絶対にこの人は私と同じ鬼畜系(←誉め言葉です)に違いないと。そんな中神謙一が、よもやこんなハートウォーミングなものを書くなんて!!

『座敷おやじ』の初演を観た時、私は嬉しいような裏切られたような、実に複雑な驚きと歓びを味わったのであった。

このほど、『座敷おやじ』、めでたく再演である。中神謙一の新境地、とくとご覧あれ。

 

作家・恩田 陸

升毅氏、推薦!

子供の頃を懐かしむようになったのはいつ頃からだろうか。

自分の子供が子供だった頃はそんな事は無かった、と思う。

子供が手を離れ、独り立ちし始めた頃からか?

草や木や土、夕立の後の雨上がりの匂い。夕食が出来る前の茶の間の匂い。匂いが記憶を呼び起こす。

座敷おやじはそんな、匂いのする芝居です。

 

升 毅

※前回公演の模様です。

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