劇団SE・TSU・NA第38回公演 座敷おやじ

■物語

夏の終わりのある日、

父は「おばあちゃんちに行くぞ」と言い出した。

いつのころからかギクシャクした僕と、妹と、父。

半ば無理やり父に連れられ訪れた、山間にある母の実家。

母が育った家。

祖母が暮らしていた家。

祖母が他界してから、もう何年も来たことのなかった家。

 

今は誰もいなくなったその家には、座敷おやじが住んでいた。

 

ABC創立65周年記念スペシャル番組、第1回劇的!ABCドラマグランプリ!!にてドラマ化され、

審査員と視聴者の投票により最優秀賞を受賞した家族再生の物語「座敷おやじ」が、よりコミカルに、

そして より心温まる舞台版として上演!

■「家族という不思議な集団のこと」

この「第1回劇的!ABCドラマグランプリ!!」へエントリーするにあたって、台本のその

条件として掲げられているお題が「記念日」、そして家族で楽しめるコメディであること。

確かそんな要綱だったと思います。

でも、普段そんな話を書いていないボクとしては、さて、どうしようかな、と考えました。

家族っていったって、色んな家族があるわけで。

家族、かぞく、カゾク。

そんな風に考えていると、なんだか家族って不思議な集団のように思えて来ました。

赤の他人だったもの同士が家族になって、そこにまた新たなメンバーが加わっていく。血のつ

ながりがあったりなかったりして、何が「家族」を「家族」たらしめているのだろう。

何てこともぼんやり考えて――でも、そんなこと、全然ドラマの時には書かなかったんですけ

ど、今回の舞台化で、ちょっぴりそんなことにも触れてみたいと思っています。

家族という、不思議な集団のこと。

それが特別なものだって、きっとみんな知っているんですけど、当たり前すぎて忘れちゃった

りしちゃうんですよね。

そう、今回は、そういうこと、思い出せるような舞台です。

                               脚本・演出  中神謙一

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