ご挨拶 ― ショーウィンドウを見ながら。
10月、デパートのショーウィンドウにはかぼちゃや魔女、お化けなんかのデコレーションが施され、町はハロウィンの雰囲気にあふれている(それにしても随分定着してきましたね、この行事も)。
ところが、10月が終わるや否や、町は一斉にクリスマス・ムードに早変わり。
硝子の向こうには雪が積もり、ツリーがそびえ、プレゼントが山と詰まれる。
様々なクリスマス・ソングが流れ、イルミネーションが夜を彩る。
人々は皆、どこか楽しそうに見える。
さてさて―SANTA×CROSSの上演も、今年で7回目。
少しずつ台本を書き換えてきてはいたけれど、今回は全員新キャラにしてみました。
基本となるテイストはそのままに、新しいサンタ見習いたちの物語を書いてみました。
どうして?
まぁ、ボクが飽きてきたから―っていうのもある。
でも、もっとこうしたいな、とか、こんな所やエピソードを書きたいな、というのもあって、
やっぱりそれが、何よりの理由である。
新聞やニュースには、痛ましい事故や事件が山ほどあって、
それをここで見ているボクにはどうしてやる力もない。
ショーウィンドウの中に降る雪が、ボク達の手を凍えさせることがないように、
どこかおとぎの国のお話のようにすら思えてくる。
それって、少し怖いコトだと感じている。
すぐにボク達は忘れそうになるけれど、それはこの世界で確実に起きていることなんだ、と思う。
だから、というわけではない。
でも、ってわけでもない。
けれど、クリスマスくらい、みんな笑顔になれればいいのに、とも思うから、今年も上演いたします。
皆様、是非是非ご来場ください。
劇団SE・TSU・NA 主宰 中神謙一